広島 南区 段原にある 学習塾

2013 福岡大学　医系小論文　模範解答

私も，科学の専門家が自然を制御できると錯覚することは，問題があると感じる。その錯覚が，自然災害をより甚大なものとしたからである。しかし，そうした面があると言っても，とりわけ医療分野において，簡単に技術の発達を諦めるわけにはいかない。なぜなら，どうしても，すぐ目の前に，苦しんでいる患者がいるのだから。そのために日々医師は，諦めず人々を苦しめる病気や怪我と向き合っている。もちろん，死という限界は認めた上でだ。ただ今後の問題として，そうした技術に対する不信感や科学の過度の制御思想は見直し，払拭していくべきである。例えば，医療技術の発展もその恩恵が一部の人にしか行き渡らないような社会システムではなく，全体の福利向上につながるような医療システムを維持していかなくてはいけない。そうした努力がなされなければ，一層人々の不満や科学への不信は強まってしまい，社会全体も不安定となってしまうためである。（３９６字）