2013 北里大学 医系小論文 2日目 模範解答
問1
イメージの巨大な役割と日本文化の型(19字)
問2 良問
<文章を踏まえた上で,自ら,考えて書かせる問題で,この文章の書き方で,その人の発想力や応用力が試される問題。だが,おそらく受験者の出来が全体的に悪すぎたとも考えられるために,以後この問題形式が採用されていないのだろうとも推測。ただし,こうした問題をたくさん出す事が,本来あるべき入試だとも感じます。これが出来れは,ある程度の応用力も心配ない気もします。>
例えば,一般的に健常者が障害者に対して抱く可哀想な人達といったイメージなどが挙げられる。こうした障害者の人達が持たれているイメージを覆すような,『五体不満足』などの,障害者の方が書かれた著作などは,そうした誤解を抱きがちな健常者の持つイメージを改めさせてくれる。ここから,特定のイメージを持たれてしまった人が,感じている点などを記した著作は,本質の理解のためには,欠かすことはできない。
その他にも,男女間でもこうしたイメージがある。男性だから,女性だからという男女間に対するイメージもまた,相手に対する本質的な理解を妨げることがある。「女性なのに,料理ができないの」といった発言や「男性なのに綺麗好きなの」などのこうした無意識の発言は,男性像や女性像を固定化してしまう。そうした固定化した像を無意識に他者に対し,当たり前のように持つことにより,多様な個人への理解がなされないこと等が挙げられる。(399字)
問3
現実に考え,行動する際に,気を付けなければならないこととして,三点が挙げられる。
一点目は,イメージだけで他者を理解しようとせずに,本質を理解しようとする姿勢を持つことである。常に他者に対する理解をイメージだけで十分だと考えない。そのようなに心がけなけれぱ,他者が持つ,多様な行動や心情は理解できない。その結果,自分にとって都合の良いイメージだけで,他者を一方的に判断することになりかねないためである。
二点目は,他者に対しても,特定の悪いイメージを付与しないことである。特定の他者に対して,悪いイメージを与える行為は,イメージの働きを考えた際,非常に悪質かつ危険な行為である。こうした行為は,例えば,いじめ問題にも顕著に現れている。いじめの加害者が,被害者に対して,レッテルを張る行為,「あいつは,汚い」や「臭い」などといった言葉でイメージを与えている。こうした行為は,人としても,倫理的に許されざる行為である。
三点目は,タコツポ型のようにならずに,できるだけ共通点を見出すことである。どうしても,異なった文化間では,共通点が忘れ去られてしまう傾向がある。そのため,共通点を見つけるように心がけ,理解できるように気をつけなければならない。
以上のような三点に気をつけていかなくてはならない。また,医師になった際にも,患者に対して,一方的なイメージを持つ事は,自戒すべきだろう。(590字)
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