2014 関西医科大学 小論文 模範解答例
私は,脱ゆとり教育の導入に賛成である。その理由は,環境の変化,つまり国際競争力の観点から,どのような分野においても,より一層の学力が求められるためである。
具体的には,グローバル化の進展の中で,英語能力の伸長や,理数能力といった基礎的な学力がより一層求められていることは間違いない。また,先進的な取り組みを行っている先進国での取り組みを,積極的に導入し,活用していくためにはこうした学力は必要である。そうした現状の中で,世界全体の流れを意識せず,学校教育の学習量を減らし過度の受験競争を防ごうと,ゆとり教育を導入した経緯がある。もちろん,ゆとり教育の理念の中には,生きる力といった,かけがえのない理念があった。だが,こうした理念が,実際には,グローバル化において求められる生きる力の育成と向き合うことができなかったのではないだろうか。そのため,ゆとり教育が見直され,現在の脱ゆとり教育へと舵を切ったと考える。こうした中で,より一層学ぶ力が求められる社会情勢に対して,自分自身もしっかりと学力を身につけていきたい。(457字)
こうしたオーソドックスな小論文の場合は
YES,NOの問題設定で記載してもよいだろう。
<脱ゆとり賛成 国際競争力をつける 公立私立の教育格差を縮小するきっかけになる>
<脱ゆとり反対 知識偏重に対しての異議 理念尊重>
ただし,注意点として,大学のポリシーとの兼ね合いと問題の背景である。
そのために,模範解答はYESからの立場で作成している。
関西医科大学HP
HP上のこうした記載から,国際競争力に対応という観点で作成。
問題背景
ちなみに,個人的には,こうした題材が与えられた場合に,ゆとり賛成と書く行為は,リスクがあると感じる。これから入学をする学生が,知識偏重だーとか言ってる場合は,大抵勉強ができない子が多いからである。また,医学部は入ってからが大変である。(基本的にそうした志向の学生がとりたい大学なら,それはそれでもう少しひねった題材で問題を出題しそうですしね。)また出題者側も,こう記載されると(知識バカにしてるの?)と良い気持ちにはなれないためである。教授や大学関係者もすでにそうした受験制度のもとで,育っているため。となるとこの題材で,患者の気持ちを推し量るようにというか,出題者の気持ちを推し量ると,NOではどうもうーんとなるので,こうした出題の題目は個人的にNGである。<もしYESなら,徹底的に理念を訴えてもよいが,それも個人的にはうーーんである>なので,もし大学側もこうした題材で出題するならせめて,どの立場でも採点には影響しないとかくらいなどの文言があってほしい。(もちろんこれは,実際の問題を見たわけではないので,問題集を見た上での感想です)
おまけ
教育に携わるものとしては,こうした学校の仕組みも大事ではあるが,おそらく両親の教育の熱心さによって,学力差が開く一方なので,教育現場におけるモンスターペアレンツの存在などもあるため。もし,教育格差を少しでも是正したいと考えるのなら
教育格差是正のための子育てセミナー(親向け)を公的機関は真剣に検討すべきである。
ただし,これは,そうした支援を必要としない親ほど支援の必要がある。という大変逆説的な構造にある。(うちの勝手でしょなどのセリフを言う人は,お願いします。100パーセント参加してください。)そのため別の補助金(例えば,家庭支援補助金など)をセットにしたハッピーセットである必要がある。<ちなみにこうしたセミナーに呼ばれるのは,レッテルを貼られるとなりそうなら,こうしたセミナーは親は必ず参加としてもよいと思う。>そうでもしなければ,教育全体の地盤沈下は避けられない。
広島 学習塾 個別指導 エース 小論文